2.内部統制の目的

内部統制とは何かということについてお話します。一般的に考えられている内部統制の定義というものは、「経営目標が達成されているとの合理的な保証を得るため、すべての役職員によって業務が適切に遂行されるプロセス」のことをいいます。ポイントは、経営目標を達成するためというところです。会社にはいろいろな経営目標があるかと思うのですが、設定した経営目標が達成されているとの合理的な保証を得るために、それぞれの会社の従業員、役職員が業務を適切に遂行するプロセスが内部統制ということができます。  経営目標とは具体的に何かというと、例えばROEを一〇%以上にする。売上高を三〇%伸ばす、利益を上げるとか企業価値を上げる。純資産の部を厚くするなどが考えられますね。また、コンプライアンスに違反しますと、会社の存続さえ危ぶまれるという事態が昨今の種々の事例からも明らかになっていますのでコンプライアンスを遵守するというのも一つの重要な経営目標になります。それから、正しい財務諸表を作成するということ。財務諸表の虚偽表示といった企業不祥事が発生したこともあり、正しい財務諸表を作成することも重要な経営目標になります。最後に、従業員の不正を未然に防ぐということ。新聞等で従業員が会社の資金を使いこむ事件も報道されていることから、会社の資産を保全するという観点からも、不正への対応も経営目標になります。  これらの経営目標を大きくまとめると次の四つになります。一番目は業務の有効性及び効率性です。要するに売上高を三〇%伸ばしたり、ROE(自己資本利益率)を一〇%以上にするという経営の目標は、業務の有効性及び効率性ということでくくることができます。二番目はコンプライアンス(法令遵守)です。三番目は正しい財務諸表を作成するということであり、財務報告の信頼性を確保することです。最後は、従業員の不正を未然に防ぐということを含め、会社の資産を保全することです。企業それぞれの経営目標については、このような四つの目的にまとめることができます(図-1参照)。

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