個別事情によって異なりますが、よく言われる世間水準や業界平均が社員の側からみた適正さを測るときの指標になります。では、何をもって世間水準とするのか。
民間給与実態統計調査で世間相場を知る
多くの資料が公表される中で、私が信頼できると考えているのは、国税庁から毎年発表される「民間給与実態統計調査」です。
信頼できる理由は、
(1)従業員ー人の事業所から5000人以上の事業所まで、広く調査していること。
(2)源泉徴収税のない者が除かれていること。
(3)役員について企業会計上の役員賞与のほか、税法上の役員賞与も含んでいること。
(4)通勤手当などの非課税分は含んでいないこと。
などです(ただし、国家地方公務員および公庫職員などが含まれていません)。
平成四年分、給与所得者数4543万人の平均給与は、437万円(下の参照1)となっています。
男女別に見ますと、男性2782万人の平均給与は542万円、女性ー76ー万人の平均給与は271万円となっています。年齢階層別の平均給与のグラフと勤続年数別の平均給与のグラフを掲載します。
企業間格差を正確に読み取れませんが、私の実感としては、参照1と参照2の男女総合の平均を目標にするといいようです。
その観点で読み取ると、初歳は400万円、羽歳は500万円という一つの柱が見えてきます。中小企業の中でも4%くらいの人が、1000万円を超える給与をもらっています。大企業で1000万円超の人は、11%くらいです。中途採用の多い中小企業では、年齢に関係ない勤続年数別の平均給与グラフも参考になります。
地域間格差もありますから、各地域で出ている統計資料も参考に、自社の体力とのバランスをとって、適正な水準を求めていくことが必要です。業種別の平均給与(下の参照3)も掲載しました。